top of page
検索

平安の世のプロポーズは「名前を教えてください」だった

 


【平安の世のプロポーズは「名前を教えてください」だった】


2月になるともう冬も終盤。

節分をすぎると暦の上では4日が立春で、いよいよ春も近くなってきたと感じます。


そして新年からは、われらがヒーロー「藤原秀郷」ファンや歴史ファンには待望のNHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まりました。


このドラマは、鎌倉幕府の政治を支えた13人の御家人が主人公ですが、話の進行上なのか1回目からのストーリーは登場人物の解説的な物語が中心になっています。それでも配流で伊豆にやってきた源頼朝の側には、いつも藤原北家の安達盛長が付き添っており、秀郷直系の比企能員や頼朝の乳母でもあった比企尼が登場するなど、秀郷ファンには嬉しい展開です。


また、聖バレンタインデーの2月が近いからというわけではないでしょうが、北条政子が意中の源頼朝に対してモーレツにアタックするシーンなどは、今までにはなかった北条政子の展開で、面白くはありますが、日本本来の男女の情景に、女性からのプロポーズはなかったようです。


秀郷が暮らした平安の世や古代日本における有名なプロポーズとしては、万葉集第一首の雄略天皇の歌があります。


「こもよ みこもち ふくしもよ みぶくしもち このおかに なつますこ いえきかな のらさね そらみつやまとのくには おしなべてわれこそおれ しきなべて われこそませ われにこそは のらめ いえをもなをも」


という歌で、抄訳は、


「美しい籠を持って、そこで菜を摘んでいる乙女よ。あなたはどこの家の娘か?名前を教えておくれ。この国は私が収めているのだ。私も名を名乗ろう」


という歌で、雅な平安の世で「名前を教えなさい」という言葉は、当時はプロポーズの言葉であり、自分の名前を教えるということが、プロポーズへの承諾の返事であったといわれます。古来日本のプロポーズは、なんとも慎ましく優雅な趣を持っていたのですね。



2022年2月1日

文 運営事務局 一般社団法人 武将伝説 代表理事:宮本 誠 イラスト/みやもとデザイナー:鈴木 絢女


 

Comments


■ カテゴリー別

おすすめページ

bottom of page